UVマッピングで使える小技を教えます【Blender】

BlenderでUVマッピングをする際に、知っておくといいことをまとめました。ちょっとした小技で、モデリングの効率を上げていきましょう。

UVマッピングについて知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

Contents

小技その① ディテールがほしい部分だけ解像度を上げる

UV展開はだいたい実寸に沿った展開になります。例えば、面積の大きいポリゴンと小さいポリゴンを同時に展開したら、UVマップ上でもその大きさの比率が保たれます。

しかし、モデリングの性質上、ポリゴンが細かいところはディテールが細かく、ポリゴンが粗いところはその逆の場合が多いでしょう。UVマッピングにおいて、ディテールを求めないポリゴンに大きなUVを与える必要はありません。ディテールを保ちたい部分はUVを大きく指定してあげます。

こうすることで、ディテールの細かい部分は高解像度のテクスチャを使えます。

小技その② ミラーを使った解像度稼ぎとデメリット

上記の解像度稼ぎに合わせて、ミラーを使った方法も教えます。ただし、デメリットもあるので、多用は厳禁です。(ミラーを使ったことがない方は、下の記事を読むといいかもしれません。)

ミラーはメッシュを対象に生成するモディファイアですが、UVは反転しません。元となったポリゴンのUV座標がコピーされます。もしモデルが左右対称であるのであれば、左右の半分だけを作成し、ミラーで反転させてやると、UVの使用範囲も半分で済みます。単純に計算して解像度が倍になるわけです。

ところが、この解像度稼ぎには以下の欠点があります。

  • 左右の色分けはできない
  • ノーマルマップは確実にバグります
  • ライトをベイクするなら別のUVマップが必要

左右の色分けができないのは、同じUV座標を与えてしまっているからです。ノーマルマップを使ったライティングでは、その性質上、光の方向が反転します。とくにシームの境目はその目立ちが激しく、左右対称のオブジェクトは中央に不必要な筋が入ります。ライティングをオブジェクトにベイクする場合、同じテクスチャ座標に書き込まれるため、左右どちらかのベイク情報が失われます。

以上のデメリットを無視できるモデルは、トゥーンのキャラクターモデルぐらいです。二次元風のキャラクター素体にはノーマルを設定することがあまりないので、ミラーを使った解像度稼ぎが有効です

現行のPC環境を考えると、ここまでしてメモリを節約する必要性は薄いです。
テクスチャサイズを上げることを先に検討してください。

小技その③ シームで囲った部分はSelectLinkedで一括選択

面選択モードでLキーを押すと、シームで囲われた部分だけ選択できます。これを使えばシームで確実に切れているかがチェックできます。

これ、あんまり知られてないかもしれません。 めちゃくちゃ便利なので、ぜひ使ってみてください。

小技その④ モデルに複数のUVマップを持たせる

モデルに二つ目のUVマップが必要になることは珍しくありません。二枚目のUVマップが必要になったら、プロパティよりObject Data Propaties > UV MapsからUVマップを追加します。追加だけでなく、削除も可能です。名前の横にあるカメラはレンダリングに使用するUVマップを表します。

小技その⑤ 意外と知らない?枠に収める必要はない

UVエディターにある枠はただの目安です。枠からはみ出るようなUVレイアウトでも、まったく問題ありません

マテリアルを共有する場合、オブジェクトごとにUVを調整して、オブジェクトのサイズ感を整えたりします。(ex.壁、床、地面など)

小技その⑥ UVマップ1からUVマップ2にベイクする

UVマップを二つ使ったベイクの小技です。ベイクについて詳しく知りたい方は以下の記事をお読みください。

このテクニックは、シームレステクスチャを転写する際によく使用します。やり方は以下の通り。

  1. ベイク元のUVをアクティブにする
  2. ベイク先のUVを選択する
  3. ベイク先のテクスチャノードを選択(忘れないで
  4. ベイクする

ちょうど下の画像のように選択してからベイクしてください。

小技その⑦ オブジェクト間でUVレイアウトをシェア

UVレイアウトを共有する機能は、Blender2.79以前はテクスチャアトラスという名前で呼ばれていました。しかし、設定がめんどくさすぎるダメ機能でした。

Blender2.8からはシステムが大幅に変更され、オブジェクトを複数選択した状態でエディットモードに入ると、自動的にUVレイアウトがシェアされます

テクスチャを共有するメリットはドローコールを減らすことで、特にゲームエンジンで真価を発揮します。また、テクスチャを分けると管理がめんどうなオブジェクトはUVレイアウトをシェアした方がよいです。例えば、チェス盤とチェス駒なんてテクスチャを分けるとファイルが無駄に増えます。

まとめ

UVマッピングまわりの使えるtipsについて紹介しました。自分が実際のワークフローで使っている機能やモデリングを始めたころにはわからなかったことを中心にまとめましたので、初心者の方には情報量が多すぎたかもしれません。

この記事がモデリングの上達に少しでも役立てば幸いです。

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