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Light Tracer Renderとは
Light Tracer Renderとは、ロシアのデベロッパーによって開発されているレンダリング専用ソフトです。
公式サイトにいくつかサンプルが掲示されているのですが、金属の質感は非常に美しく、ジュエリーなどのレンダリングに映えそうな印象です。ガラス水晶といった透明感が重要なマテリアルも表現力十分でした。
ブラウザで動作するレンダリングソフト
Light Tracer Renderの特徴として、ブラウザで動作するWeb版が提供されています。無料で利用できるので、こちらよりお試しください。Web版はいくつかの機能制限がありますが、基本的な動作はソフト版とほぼ同じです。
Web版の制約について
Web版はソフトをインストールせずにお手軽に機能を試すことができますが、以下の点で制約がかかっています。
- 動画を書き出せない
- AIデノイザーが使えない
- 大きいモデルデータが読み込めない
Web版だけでも非常に高品質なレンダリングを期待できるのですが、動画やデノイザーを利用したい場合は、ソフト版を導入して下さい。
ライセンスについて
Light Tracer Renderは有料ソフトですが、14日間の無料試用期間があります。また、試用期間内の機能制限はありません。二週間という短い試用期間ですが、機能把握するには十分です。
試用期間を過ぎてしまった場合のサブスクリプション料金は、以下ようになっています。
月契約だと7ドル、年間契約だとディスカウントされて月5ドルになります。また、買い切りが49ドルとそれほど高くないので、使用頻度が高い場合は買い切ってしまった方が特でしょう。(年契約の方が高いです、普通に買い切りの方が安い…..)
注意!初回起動時に警告が出る
新興のソフトということもあり、証明書が未発行です。そのため、初回インストール時に警告がでます。(これはなんとかしてほしいですね…..)人柱もかねて、調査のためにソフトを起動したのですが、今のところ不穏な動作はないです。ただし、絶対に安全とも言い切れないので、起動は自己責任でお願いします。
※記事執筆現在 2020年3月では警告がでましたが、将来的には改善されている可能性があります。
基本的な使い方
それでは、Light Tracer Renderの基本的な使い方を紹介します。レンダリングに特化したソフトなので、一般的なDCCよりも操作は簡単です。
モデルのインポート
モデルをインポートするには、fbxなどのメッシュデータをウィンドウにドラッグアンドドロップするだけです。非常に簡単にソフトに取り込むことができます。
なお、Light Tracer Renderにはモデリング機能はありません。メッシュはあらかじめ完成したものを用意し、マテリアル分割も済ませておいてください。
マテリアルの設定
マテリアルを設定するには、右側のシェルフから好きなマテリアルをモデルにアタッチするだけです。マテリアル一覧を表示するには、上部タブから「Library」を選択してください。
独自のマテリアルを設定する場合は、「Properties」から各項目を調整してください。CGソフトで想定されているような項目はだいたい実装されている印象です。ただ、自作シェーダーには対応していないようです。
自作したマテリアルは上部の「Export material」や「Add to library」でマテリアルをシェアすることができます。残念ながら書きだしたマテリアルは.ltmという独自形式で、他ソフトとの互換性はありません。
レンダリング
レンダリングのサンプリング数は、ウィンドウ左上から変更できます。シンプルなモデルだと、上限値の8000サンプルで3分かかります。個人的には1000ぐらいで、十分高品質なルックに仕上がると思います。
レンダリング結果をアウトプットするには、「View」にあるSave video / imagesをクリックします。こちら、シングルフレームの出力に対応していません。最低でも一秒の書き出しからとなっています。一枚絵のレンダリング出力については、ビューポートのレンダリングが兼ねているようです。
また、Save videoで出力できる動画ファイルは.webm形式のみです。mp4などのメジャーな形式にはまだ対応できていません。
まとめ
今回は新興のレンダリングソフトLight Tracer Renderを紹介しました。レンダリングに特化したソフトですが、あらかじめマテリアルが用意されているので、手早くクオリティの高いアウトプットを作り出せます。個人的にはガラスマテリアルが非常にいい感じでした。ソフト自体の動作も軽い上、ウェブで動作するという、他にはない特徴も兼ね備えています。
この記事を読んでLight Tracer Renderに興味を持った方は、ぜひこちら(Web版)からその機能を体感してみてください。